誤嚥(ごえん)とは『食べ物や唾液などが間違って肺に入ること』をいいますが、誤嚥によりおきる肺炎のことを誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)といいます。
2016年に厚生労働省が発表したデータでは、 肺炎患者の約7割が75歳以上の高齢者であり、高齢者の肺炎のうち7割以上が誤嚥性肺炎によるものとされています。
このように、誤嚥性肺炎は高齢になるほど身近なものになってきます。
ですので、誤嚥性肺炎を防ぐためには、常日頃から自分でできる誤嚥対策を行うことが大切になてきます。
そこでこの記事では、自宅でできる高齢者の方に向けた誤嚥対策をご紹介していきたいと思います。
Contents
自宅でできる高齢者の3つの誤嚥対策
誤嚥の恐れのある方が自宅でできる誤嚥対策には色々なものがありますが、ここでは3つの誤嚥対策をご紹介していきたいと思います。
≪高齢者の3つの誤嚥対策≫
- 口腔ケア・口腔体操
- よく話す・歌を歌う
- 食時前に冷たいものを食べる
高齢者の誤嚥対策① 口腔ケア・口腔体操
高齢者の誤嚥対策の一つ目は、口腔ケア・口腔体操をすること。
口腔ケアには、「口の中をきれいにする」ことと「口の機能をリハビリする」ことの2つの意味があります。
≪口腔ケア≫
- 口腔清掃
- 口腔機能回復
口腔清掃とは「歯磨きや入れ歯の掃除など口の中を清潔に保つこと」をいいます。
はじめに、誤嚥(ごえん)をすると誤嚥性肺炎になりやすいとお話ししました。
誤嚥性肺炎は、口の中にいるバイ菌が唾液や食べ物と一緒に肺に入り(誤嚥し)、ばい菌が肺で増えることにより起きるといわれています。
ですので、誤嚥や誤嚥性肺炎対策として、口の中をきれいにするのはとっても大事なことなのですね。
≪口腔機能回復とは≫
口腔機能回復とは「動きにくくなった口の中をリハビリすること」です。
口腔機能回復は、口腔体操とも呼ばれることからも分かるように、舌の体操や発生練習をして口腔内の機能の維持回復を目指します。
以上、口腔清掃と口腔機能回復の2つが、誤嚥対策における口腔ケアになります。
では実際に、老人ホームなどの介護施設では、どのような誤嚥予防における口腔ケアを行ているのでしょうか?
老人ホームや介護施設などでの口腔ケアが分かる動画をご紹介したいと思います。
↓毎食前に口腔ケアをしてから食事をします。
引用:youtube
口腔ケアをして食事をすると誤嚥のリスクが低くなります。ですので、誤嚥予防のために自宅でも毎食前に口腔ケアを行うのがおすすめです。
高齢者の誤嚥対策② よく話す・歌を歌う
高齢者の誤嚥対策の2つ目は、よく話すことと歌を歌うことになります。
普段からよく話をしたり歌を歌っていると、のどや舌の筋肉が自然と鍛えられます。
ですので、「高齢者の誤嚥対策ではよく話すことや歌を歌うことはとっても大事なこと」といえます。
管理人tsubameはこれまでに何度か「よく話す人は長生きをする」と聞いたことがあります。
実際に、介護施設で多くの高齢者の方と接することによって、「やはりよく話す人は元気な方が多い」なと思うようになりました。
例えば、90歳になっても100歳になっても仕事をされてる方は、人と話す機会が多いので、90歳100歳になっても健康でいられるのかなとも思ったりします。
このように、話をすることや歌を歌ってのどを使うことも、高齢者の誤嚥対策になります。
誤嚥の危険がある方が身近におられる方は、簡単にできる誤嚥対策として、その方とお話しをすることや、一緒に歌を歌われることを心がけてみられてはと思います。
高齢者の誤嚥対策③ 食時前に冷たいものを食べる
高齢者の嚥下対策の3つ目は、食時前に冷たいものを食べるという方法があります。
冷たいものを食べると口の中がびっくりして口の中が良く動くようになるそうです。
ですので、嚥下力が気になる方や嚥下困難食を食べられている方には、食時前に冷たいものを食べるのがおすすめです。
では、誤嚥対策でどのような冷たいものを食前で食べるいいのかですが、できれば柔らかいアイスクリームのようなものが良いと思います。
例えば、「アイスtoムース」は自宅で簡単に作れるアイスムースですので、誤嚥対策として食時前に食べるものとしてはピッタリの製品といえます。
自宅でできる高齢者の3つの誤嚥対策|まとめ
自宅でできる高齢者の誤嚥対策を3つご紹介してきました。
≪自宅でできる高齢者の誤嚥対策≫
- 口腔ケア・口腔体操
- よく話す・歌を歌う
- 食時前に冷たいものを食べる
自宅でできる高齢者の3つの誤嚥対策はどれも簡単なものばかりです。
しかし、簡単な誤嚥対策だからといって、それを毎日続けていけるかといえばそうではないのが実情のようです。
やはり、簡単な誤嚥対策といっても、毎日ちゃんと続けていくことは大変なことといえます。
毎日続けていくからこそ、簡単な誤嚥対策でも効果を発揮してくれるのです。
ですので、本気で誤嚥予防を始めたいときは、「毎日続けることが大事」ということを意識しながら、自分ができるところから誤嚥対策を行っていきましょう。
ちなみに、誤嚥対策では、身体や飲み込みの機能に応じた介護食を食べることも大事になってきます。
介護食の種類には一口大の介護食や料理を細かく刻んだ刻み食があります。
嚥下が咀嚼や嚥下が困難な方のためのペースト状になったミキサー食やソフト食といった介護食もあります。
このように、介護食にはいろいろな食事形態があります。
また、介護食は食事形態だけでなく、介護食に合う野菜などの食材もあります。
たとえば、キャベツやピーマンは熱を加えると柔らかくなるので介護食に向く食材です。反対に、タケノコやもやしなどは熱を加えてもあまり柔らかくならないので、介護食に向かない食材といえます。
このサイトに介護食についての記事もあります。
介護食を詳しく知りたいときは介護食の記事を参考にしてみてください。