介護食|一口大のメリットとデメリットとは|切り方・大きさ

介護食にあまり縁がない方にとって、介護食における一口大という言葉は、聞きなれない言葉かも知れません。

  • 介護施設における一口大の役割とは
  • 一口大の大きさとは
  • 一口大のメリットとデメリットとは

以上のことをこれから、簡単にご紹介していきたいと思います。

≪一口大について≫

一口大とは ・一口で口に入る大きさに切り分けられた介護食のこと
一口大の大きさ ・ティースプーンにのる大きさ
・一口で口に入る大きさ
一口大のメリット ・料理をかみ切るのが困難な方が食べやすくなる
・口を大きく開けるのが困難な方が食べやすくなる
・箸を使うのが困難な方が食べやすくなる
一口大のデメリット ・料理の見た目が良くない場合がある
・料理を一口大に切るのに手間がかかる

以下では、一口大の特徴や、メリット・デメリットデメリットについて詳しく解説しています。

また、一口大に切るときに切り方・注意点もご紹介しています。

一口大の特徴や詳細を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

先に、介護食の種類を知りたい方は、介護食の種類の記事をご覧ください。

↓介護食の種類の記事

介護食|きざみ食・軟菜食など分かりやすく解説|刻み食

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介護施設における一口大とは|どれくらいの大きさなの?

介護施設における一口大とは、次のような方に適した料理形態になります。

  • 料理を噛み切るのが困難な方
  • 口を大きく開けるのが困難な方
  • 箸を使うのが困難な方

一口大は、基本的には噛む力はあるけど、口を大きく開けれなかったり、噛み切る力が弱い方のための料理形態になります。

また、箸などで料理を一口大するのが困難な方にも、一口大は適した料理形態になります。

一口大の大きさ

一口大の大きさはティースプーンに乗るくらいの大きさと言われてます。

↓ティースプーン

ティースプーンに乗るくらいの大きさの料理は、ちょうど口に入れやすく、また、口の中で噛みやすい大きさになります。

以上のような理由で、一口大の目安はティースプーンに乗るくらいの大きさになっています。

介護施設において、一口大の料理を食べる方は、料理をかみ砕く力がある方が条件になります。

食べ物をかみ砕く力がないと、いくら料理を小さく刻んでも、その刻んだ料理を丸呑みしてしまいます。

ものを丸呑みすると、料理が肺に入る誤嚥(ごえん)の危険や、料理がのどに詰まる窒息の危険が高くなってしまいます。

また、丸呑みされた料理は消化が悪く、栄養を上手く吸収できないことにもつながります。

そういったことから、一口大を食べる方は、料理をかみ砕く力がある方が条件になります。

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介護食における一口大の3つのメリット

はじめにご紹介したように、介護食における一口大のメリットとデメリットは、以下のようになっています。

≪一口大について≫

メリット デメリット
・料理をかみ切るのが困難な方が食べやすくなる
・口を大きく開けるのが困難な方が食べやすくなる
・箸を使うのが困難な方が食べやすくなる
・料理の見た目が良くない場合がある
・料理を一口大に切るのに手間がかかる

一口大のメリット① 料理をかみ切るのが困難な方が食べやすくなる

一口大のメリットとして、料理をかみ切るのが困難な方が食べやすくなります。

一例で言うと、前歯の状態は良くないけど奥歯は問題がない方が、料理を食べやすくなるといえます。

また、入れ歯の方で噛み切る力が弱い方にとっても、小分けされた一口大は食べやすいというメリットが大きい料理形態になります。

一口大のメリット② 口を大きく開けるのが困難な方が食べやすくなる

一口大は、口を大きく開けることが困難な方にとっても、メリットの大きい料理形態になります。

高齢になると、どうしても身体の筋肉が弱くなってきます。

口を開ける筋肉も同様で、高齢になると口を開けにくくなる方もおられます。

口を大きく開けることが困難になると、大きな料理をかぶりと噛み切ることも困難になります。

そういったことから、口を大きく開けることができない方にも、一口大は適した料理形態になります。

一口大のメリット③ 箸を使うのが困難な方が食べやすくなる

箸を使うのが困難な方にも、一口大はメリットがある料理形態といえます。

料理を食べるとき、例えば、かぼちゃの煮つけを食べるときに、箸でかぼちゃの煮つけを口に入る大きさにして食べることもあると思います。

このように、口に入りきらない大きな食べ物は、箸で小さくすると思います。

身体に障害がない方は、箸で料理を小さくすることができますが、介護施設に入居されている方の中には、いろいろな事情で箸を上手く使えない方もおられます。

このように、食べる力に何の問題もないけど、箸で料理をうまく切り分けられない方にとっても、一口大はメリットがある食事形態とになります。

一口大のデメリット

一口大のデメリットとして、料理の見た目が良くなくなる場合があります。

また、一口大食を作るのに少し手間がかかるのも、デメリットかなと思います。

ただ、一口大のデメリットは上記の2つくらいのもので、あとは、とくにデメリットはないように思います。

介護食における一口大の注意点|切り方が大事

介護施設においては、一口大を作るときの注意点があります。

≪一口大の注意点≫

  • 一口大は料理を一口大に切る時に切り方(切る方向)がある

一口大の切り方に決まりがあるの?と思われる方もいると思います。

また、介護施設で介護食を作っている方の中にも、基本的な一口大の切り方を知らない方も実際にはいます。

しかし、一口大には、切り方の注意点があります。

一口大の切り方の注意点

介護食における一口大を作るとき、次のかぼちゃに煮つけを、どのように一口大にすれば良いと思いますか?

介護食における一口大の基本的な切り方

かぼちゃの煮つけ(画像)を一口大にする場合は、次のように切ります。

↓良い一口大の切り方

介護食における一口大の基本的な切り方はスライスに切るということです。

※ちなみに、介護施設でのかぼちゃの煮つけの一口大は皮を取ることが多いです。

なぜ、介護食における一口大の切り方は、スライスが基本なのでしょうか?

≪一口大の切り方がスライスが基本の理由≫

  • スライスに切ると薄いので噛みやすくなるため
  • 間違って丸呑みしたときに喉に詰まりにくくなるため

介護食の一口大の切り方がスライスである理由は、少ない力でも料理をよくかむことができる点にあります。

料理の厚みが薄いと、少ない力でも料理をかむことができるので、口の負担がすくなく食事を楽しむことができるようになります。

介護食の一口大の切り方がスライスである理由の2つ目は、間違って丸呑みしたときに喉に詰まりにくくなるという理由もあります。

一口大の形がスライスであれば、勢いが余って万一料理を飲み込んだとしても、喉に詰まりにくいといわれています。

以上のような理由から、介護食の一口大の切り方は、スライスに切るのが基本とされてます。

先ほどのかぼちゃの例を挙げると、次のような一口大の切り方は良くないと介護施設では考えられています。

▽良くない一口大の切り方

上記のような一口大の切り方をすると、噛みにくかったり、丸のみしたときに喉につまりやすくなるといわれてます。

介護施設における一口大の切り方|サンプル

ここで、いろいろな料理の介護食における一口大の切り方について、管理人tsubameの方法をご紹介していきたいと思います。

↓サバの塩焼きの一口大の切り方

↓サーモンの一口大の切り方

↓食パンの一口大の切り方

↓いちごの一口大の切り方

介護食における一口大|まとめ

介護施設における一口大の基本的な切り方をご紹介してきました。

今回ご紹介した一口大の切り方は、どの介護施設でも採用されている一口大の切り方かというと、実はそうではありません。

一口大の切り方は、介護施設によってさまざまです。

ただ最近では、介護施設での基本的な一口大の切り方は、「スライスに切る」という切り方が主流になってきています

2000年くらいまでは、民間の介護施設が発達していませんでした。

なので、介護食の技術もあまり進んでいないのが現状でした。

しかし、2000年に介護保険法ができて以来、民間企業が介護施設に進出してきました。

介護ビジネスが始まるとともに、よりユーザー(入居者)の方に満足してもらえるような介護食が発展してきています。

そのような流れの中で、一口大の切り方もスライスが主流になってきました。

介護食の技術は年々進化しています。

自分の必要をする介護食(料理形態)を見つけて、安心して食べることができる介護食作りを行っていきましょう。

このサイトには、介護食に関する記事がたくさんあります。

介護食について詳しく知りたいときは、このサイトにある介護食の記事を参考にしてください。