介護食器の選び方・使い方|おすすめの自助食器・コップ・お皿とは

この記事では、おすすめの自助食器と、その選び方・使い方をご紹介しています。

はじめに自助食器について述べたあと、次に続く内容で、おすすめの自助食器をご紹介しています。

目次をご覧になられて、記事の気になる部分からお読みください。

はじめに 「自助食器について」

介護施設で働いていると、いままで知らなかった食器やスプーン、いわゆる自助食器や介護用スプーン扱うようになります。例えば、

  • 自助食器(じじょしょっき)と呼ばれる介護用のお皿
  • スプーンの先が曲がっている介護スプーン

などです。

これらの、自助食器と呼ばれている介護用の食器やスプーンは、介護が必要となった方が食事を食べやすいように開発されています。

「片手でもちゃんと料理をお皿からすくえる工夫」がしてあったり、「ものをつかむ力が弱くなった方のために大きな取っ手がついている工夫」してあったりします。

自助食器は、身体の自由が利かなくなった方にとって、とても大切で必要な生活の道具なのです。

管理人tsubameは介護施設でいろいろな自助食器を見てきました。

いろいろな自助食器を見てきて、「自分が使いたいな」と思うものや「これは使いにくそうだな」と感じたものがありました。

ですので、はじめて自助食器を見る方は、「使いやすい自助食器の選び方」や「自助食器の使い方」が分からないのではないかと思います。

  • 自助食器の選び方を知りたい
  • 自助食器の使い方を知りたい

このように悩んでいる方のために、これから、管理人tsubameが使いやすいと思ったおすすめの自助食器をご紹介していきます。

使いやすい自助食器|茶碗・汁椀・皿・コップなど|使い方

≪使いやすいおすすめの自助食器≫

  • 取っ手付き飯椀
  • 持ち手付き汁椀
  • メイン皿・中皿
  • 小鉢・小皿
  • もちやすいコップ
  • シリコンスプーン
  • スぺり止め付きお盆

おすすめの自食器① 取っ手付き飯椀


petit aide 取っ手付き飯椀 梅花赤 HS-N43

私に介護が必要になったときに使いたい茶碗はこれ。

茶碗に取っ手がついていますので、手の力が弱くなってもしっかりと茶碗を持つことができる点がいいと思います

茶碗のデザインも上品です。おすすめのできる自助食器です。

この茶碗のとても使いやすいようで、アマゾンレビューには「使いやすい」という感想が多くあります。

≪この茶碗の口コミ≫

「握力の弱くなった高齢者でも、落としにくくて良いです。落としても割れません。」

「模様も陶器のようで感じが良く、電子レンジにかけられるので、とても重宝しています。取手が付いているので手に震えがある母にとって、とても持ちやすいようです。買って良かったです。」

「腕の力が入らない父のために購入。自分で持てるのが良かったのかごはんもよく食べてくれました。」

出典:amazon

始めにお話ししたように、この茶碗は「自助食器と呼ばれる介護用の茶碗」です。

この茶碗の使い方ですが、取っ手と茶碗の間に手を入れて使うと思います。

握力が弱くなると、茶碗を持つ力も弱くなって茶碗を落としてしまうこともあります。

そのようなときも、茶碗に取っ手がついていれば安心。

素材は陶器ではなくABS樹脂(プラスチック)ですので、万が一、手が離れて落としても壊れにくいのがいいと思います。

自助食器の選び方では、まずは、落としにくい形の自助食器を選ぶことが大事になります。

おすすめの自助食器② 持ち手付き汁椀

管理人tsubameが使いたい自助食器の汁椀はこれ。

汁椀はみそ汁やお吸い物が入りますの。汁こぼれにくいように「しっかりと手に固定できるもの」を選ぶのが重要です。

≪この汁椀のいいところ≫

  • 取っ手がついていること
  • 胴体が深く汁ものを入れれも安定するところ

胴体が逆三角っぽい汁椀は持ちにくく安定も悪いですので、自助食器の汁椀としてはおすすめでないです。

汁椀はご紹介した汁椀くらい胴体の深さがある方が使いやすいです。

この汁椀の使い方は、上記した茶碗と一緒で、汁椀と取っ手の間に手を入れて使うと思います。

≪この汁椀の口コミ≫

「父が高齢でリウマチの為、うまくお椀を持てず、ずっと陶器のマグカップを使用していましたが、重くて指が痛いと訴えるようになり、アマゾンで探して購入しました。指が変形しているので、最初はお椀を置く時に指に引っかからないか心配でしたが、適度な重みがあるので置きやすいとのことです。何年ぶりで味噌汁をちゃんとしたお椀で食べる事が出来て、なんだか美味しく感じるそうです。購入してよかったです。」

「93歳の父が、電子レンジ用に使用しています。取っ手が持ちやすく、熱くなりにくいので、高齢者でも安心して使えます。」

「持ち手がついているので、口元にもっていけるので、こぼす事が少なくなりました。」

出典:amazon

先ほどご紹介した取っ手付き飯椀もそうですが、この汁椀のレビューでも「とってがついているので使いやすい」という評価が多くあります。

やはり、「汁椀・飯椀・コップなどの自助食器は取っ手がついている形状のものが使いやすい」と思います。

おすすめの自助食器③ メイン皿・中皿

この画像では大きさが分かりにくいと思いますが、この中皿の自助食器はメイン皿に使うくらいの大きさがあります。

この自助食器の使い方ですが、右手にスプーンをもって食事をするときには、上の画像のように自助食器を置きます。

その理由は、上の画像では自助食器の左側の方が深さがあり、お皿の底の角度が90度になっているからです。

右側からスプーンで料理をすくうと、食器の左はしの底でこつんとスプーンが当たって料理がすくいやすいようになっています。

管理人tsubameはこのタイプの自助食器を介護施設ではじめて見たとき、どのように料理を盛り付けていいのか分かりませんでした。

このタイプの自助食器は良く介護施設で使われています

自助食器のメイン皿選びで迷っているときは、この自助食器の中皿がおすすめです。

≪ケアネットすくいやすい皿の口コミ≫

「支援学校へ通う子の食事に使用してます。
左手で食器を持つことが無く、食器に滑り止めが付いてカレーも食べられる大きさの自助食器を探していました。
裏に滑り止めが付いており、1つのヘリが内側に入っている点でもスプーンで取った物を溢しづらくなり、食器を置いたままでも1人で食べやすいようです。
このタイプの食器を使い始めてから食事介助の度合いを減らせてます。」

「父親の介護用食器として購入、お皿が斜めになっているので救い上げるのに良い傾斜です。」

出典:amazon

おすすめの自助食器⑤ 小鉢・小皿

この自助食器は小鉢用の自助食器です。

この小鉢・小皿タイプの自助食器も介護施設でよく見かけるタイプですので、介護用としてこの自助食器は使いやすいお皿なのだと思います。

この自助食器の商品説明にはメラミン樹脂とありますが、メラミン樹脂の食器とはプラスチックの食器のようなものになります。
※メラミン樹脂はプラスチックの一種

メラミンとプラスチックの自助食器は素材は似ていますが耐久性が違います。

メラミン食器はプラスチック食器に比べて衝撃に強く耐久性があります。

メラミン樹脂の自助食器は耐久性がありますので、メラミン樹脂の食器は介護現場でよく使われています

ちなみに、メラミン食器はレンジはNGになります。

この自助小鉢さらに限らず、メラミン食器は普通のプラスチックのお皿と比べて、価格が高めになります。

その理由は、落としても壊れにくい耐久性にあるのだと思います。

価格を重視するか耐久性を重視するかは、自助食器の選び方のポイントになりますので、いろいろな製品のレビューを調べて、自分に合いそうな自助食器をゆっくりと探してください。

余談として、「なぜ衝撃に強く耐久性があるメラミン樹脂の食器が介護施設で使われるのか」

というと、介護施設では食器を落とすことが多いからです。

施設の入居者の方が食事中に食器を落とされることもありますし、職員が食器をかたずけたり洗浄したりしているときに落とすこともあります。

このように、食器にとって介護施設はとても過酷な場所ですので、「耐久性があり壊れにくいメラミン樹脂の食器」が採用される傾向になります。

ちなみに、少しお高い有料老人ホームなどでは、高級感を出すためにメラミン食器は使わずに陶器のお皿や湯呑を使う施設が多いです。

でも、陶器は壊れやすいですし、小さなひびや細いひびは見つけにくいことが多いですので、管理人tsubame的には、介護用の自助食器はプラスチック系の素材の方がいいと思います。

陶器の食器のひびの発見方法としては、食器を箸でコンコンと軽くたたく方法があります。箸で軽くたたいて鈍い音がすると、ひびが入っていることが分かります。

おすすめの自助食器⑥ もちやすいコップ

管理人tsubameに介護が必要になったときは、このコップを使いたいです。

このコップは飲み口と底の大きさが同じくらいですので安定感があります

重心が高いコップは、手がちょっとコップに当たっただけすぐに倒れるので危ないです。

高齢になると手の自由が利かなくなってくるので、コップをうまくつかめないこともあります。

その点、この「取っ手のついた持ちやすいコップ」は安心して使えると思います。

介護用のコップは安定感がある形のコップがおすすめです。

≪このコップのレビュー評価≫

「要介護1の義母や90歳過ぎた義父のために購入しました。持ちやすそうで何より軽くて割れないのが良いです。キッチンの流しに食器を置く時にだんだん距離の感覚がなくなってくるのか、両親が食器を運んで置く時にガチャンと割れたり欠けたりすることが多くなってきました。何でも軽くするのが良いとは思いませんが、割れない食器しばらく使ってみます。」

「値段が安いわりに使いやすくしっかりした作りでした。」

出典:amazon

コップに取っ手がついているだけで、高齢者の方にとても使いやすくなるのではないかと思います。

おすすめの自助食器⑦ シリコンスプーン

管理人tsubameが介護食を食べるようになったら、できるだけ「スプーンで食べれる(箸を使わないでいい)介護食」を食べたいなと思っています。

身体の自由が利かなってくると、箸を使うのも難しくなってきます。

扱いの難しい箸で無理して食事をしようとすると、ストレスになって食事が楽しくなくなってくるのでは無いかと思います。

ですので、身体の自由が利かなくなってきたら、スプーンで介護食を食べたいと思っています。

管理人tsubameがスプーンを使って介護食を食べたい理由は、「消化のいい柔らかい料理を食べたい」と思っている点にもあります。

消化の良い介護食(柔らかい料理)は、スプーンの方が食べやすいかなと思います。

余話として、

介護施設では、煮物のカボチャなども介護食として提供しますが、「やわらかい介護食用のかぼちゃの煮物」は箸でつかむのがとても難しいです。

こんなときに活躍するのが、スプーンの先がお皿の曲面をしっかりと捉えるシリコン製のスプーンです。

介護の食事で使うスプーンは「シリコン製のスプーン」がおすすめです。

管理人tsubameが介護用としておすすめするスプーンの条件は2つあります。

≪おすすめの介護スプーンの条件≫

  • 条件① シリコンのスプーン
  • 条件② スプーンの先が平らなもの

介護用のスプーン選びで迷ったときは、この2つの条件を満たしたスプーンがおすすめです。

「シリコンのスプーンは柔らかいので料理をすくいやすい」のが介護用のスプーンにおすすめの理由です。

「スプーンの先が平らだと料理をすくいやすくい」ですので、ここも介護用スプーン選びのポイントになります。

再度、余話として、

介護食にはミキサー食・ソフト食・ムース食・ペースト食という介護食があります。

ミキサー食やソフト食などの介護食は、箸ではうまく食べれません。

ミキサー食やソフト食を食べるときは、料理をすくいやすいスプーンが必要になります。

このときに活躍するのがシリコンのスプーンになります。

スプーンの先が丸ではなく平になっていると、おかゆなど柔らかい料理を簡単にすくう事ができます。

先が平らで柔らかいシリコンのスプーンは本当にヨーグルトなどを一発できれいにすくえるので、介護が必要な方にだけではなく、すべての方におすすめです。

管理人tsubameがシリコン製のスプーンを使いたいもう一つの理由は、

「シリコンは口当たりもいいので、スプーンの違和感を感じずに食事をすることができるから。」という理由もあります。

料理をおいしく食べるには口当たりのいいスプーンを使うのもとても大事なことだと思います。

介護スプーンについての記事もあります。

介護スプーンが気になるときは介護用シリコンスプーンおすすめ|継ぎ目なし・ヨーグルト・耐熱温度|比較を参考にしてください。

ミキサー食・ソフト食・ペース食などを分かりやすく説明した記事もあります。

ミキサー食・ソフト食・ペースト食などの特徴を知りたいときは、介護食の記事も参考にしてください。

↓介護食の記事はこちら

ペースト食とは※ミキサー食・ソフト食・ムース食・ゼリー食との違い

介護食|きざみ食・軟菜食など分かりやすく解説|刻み食

介護食|一口大のメリットとデメリットとは|切り方・大きさ

おすすめの自助食器⑧ 滑り止め付きお盆

介護が必要な方に料理を提供するときは、すべり止めのついたお盆もおすすめです。

ほとんどの介護施設で使われるほど、お盆は介護施設での食事にとっての必需品になります。

介護施設では、入居者の方の食事形態が一人一人違いますので、お盆に一人一人の食事形態に合わせて配膳する必要があります。

入居者の方の食事形態は色々なものがあります。

例えば、制限食では『カロリー制限・糖質制限・脂質制限・塩分制限・カリウム制限』などがあります。

禁止食といってアレルギーがある食品では、『サバ禁・タマゴ禁・乳製品禁・豆乳禁・そば禁』などがあります。

また、嚥下力(えんげりょく)の関係で、細長いものを食べるのが危険な方には『麺禁』という禁止食もあります。

嚥下力が弱くて誤嚥(ごえん)してしまう方には、とろみをつけなければならないこともあります。

  • 嚥下力(えんげりょく)…ものを飲み込む力。
  • 誤嚥(ごえん)…食べ物や飲み物が間違って気管に入ること。

このように、介護施設では入居されてる方、一人一人の身体機能にあわせた食事を、ほかの人の食事と間違わないように提供する必要があるのです。

このときに活躍するのがお盆です。

↓こんな感じで提供します

出典:http://sunlife-mai.co.jp/seikatsu/

お盆は入居者の方の食事を間違わないためのとても大切な道具なのです。

↓誤嚥についての関連記事はこちら

兆候は?誤嚥性肺炎の観察項目とは|高齢者と嚥下障害|介護食

誤嚥性肺炎|自宅でできる3つの誤嚥対策とは|口腔ケア・食事前介護食

↓介護食のとろみについての記事はこちら

ペースト食作り方※とろみ剤や「まとめるこ」など使用|簡単介護食

お盆を使うことには、食事の誤提供を防ぐ役割があるとともに、もう一つのメリットもあります。

それは、お盆にすべり止めがついていると介護食が食べやすくなるというメリットです。

介護施設に入居されている方の中には、片手でご飯を食べられる方もおられます。

片手で料理をすくおうとすると、力加減がうまくいかず食器が動いてしまうこともあります。

このときに、お盆にすべり止めがついていると、お皿の料理が取りやすくなります。

このような理由から、お盆にはすべり止めがついている方がいいと思います。

管理人tsubameも介護が必要になる頃には、すべり止めのついたお盆を使いたいと思っています。

ご紹介したお盆はamazonで450円位で市販されています。

介護用の箸について

管理人tsubameははいくつかの介護施設で働いてきましたが、介護用の箸を介護施設で見たことがありません

なぜ、介護施設で介護用の箸が使われてないのかは分かりませんが、たぶん介護用の箸は使い方が難しいのだと思います。

介護用の箸は、箸を使う力が弱ってきた方のために開発されたのだと思います。

しかし、実際に要介護者の方が介護用の箸を使うと、介護用の箸はとても使いにくいのではないかと思います。

管理人tsubameがいま、介護用の箸を使ってみても、たぶん使いにくいと感じるかと思います。

まだ指が十分に動く管理人tsubameでさえ介護用の箸が使いにくいとすると、要介護者の方にはさらに介護用の箸は使いにくいのではないかと思います。

このような理由から、介護用の箸は介護施設では使われてないのではないかと思います。

箸で食べることが難しい場合は、無理に箸で食べようとしないで、スプーンやフォークを使うことも検討されてみてください。

まとめ

茶碗・お皿・コップ・スプーンなど「おすすめの使いやすい自助食器」や、「自助食器の使い方や選び方」をご紹介してきました。

自助食器にはいろいろな種類がありますが、実際に自分で使ってみなければ、どのような使い心地なのか分からないのが実情です。

今回の記事が、介護食器をお探しの中の方に、いろいろな介護食器の使い心地や特徴を少しでもお伝えできていればと思います。

このサイトには介護食についての記事がたくさんあります。

介護食のことを詳しく知りたいときは、このサイトにあるいろいろな介護食の記事を参考にしてください。