介護施設に入居されている方が思っていること

老人ホームや介護施設に入居されている方が、『いつも何を思っているのか』と考えてみたことはありますか?

テレビなどで、老人ホームの風景が移ることがあります。

このとき、『入居している方は何を思ってるのだろう…』と思う方はあまりないかも知れません。

また、このような視点で、テレビに映る老人ホームの映像を見ている方も少ないかも知れませんね。

管理人tsubameは、介護施設で入居者の方と接するとき、いつも思う事があります。

  • この方は私の話しをどこまで理解されているのだろうか?
  • この前お話ししたけど私のことを覚えているだろうか?
  • この方の認知症の症状はどのレベルだろうか?

など、介護施設で高齢者の方と接するとき、いつもこのようなことを思っています。

コミュニケーションの基本

コミュニケーションの基本は『相手の話しを理解しようとすること』です。

なので、話しかけても反応が無い方とコミュニケーションをとることは、むつかしいことといえます。

話しかけたときに反応が無いと、次のように思います。

  • 私の声が聞こえなかったのかな?
  • 話しの内容が理解できなかったのかな?
  • など…

話しかけて反応がないときは、『どうしたんだろう…』と思ってしまいますね。

なので、私の話しかける声が聞こえていなさそうなときは、よく聞こえるように話すようにしています。

また、話しの内容が理解できていなさそうなときは、もっと簡単な言葉で話すようにしています。

このように、話しかけると、先ほど話しかけても反応がなかった方とも、コミュニケーションが取れるようになります。

私は高齢者の方と接するとき、以上のように話しかけるように気をつけていますが、以上のように話しかけても、反応が無いこともあります。

このようなときは、それ以上、話しかけることをやめます。

そして、また次に会ったときに話しかけることで、そのような方とはコミュニケーションをとるように心がけています。

ただ、この場合は「コミュニケーションをとっている」というよりも「とっているつもりになっている」のかも知れません。

何度も話しかけていると変化が

話しかけても反応がない方に接するたびに挨拶をして天気のことなどを話しかけていると、あるとき、突然反応があるときがあります。

しかも、その反応は、普通の方と同レベルのコミュニケーションであることが多いのです。

普通の方と同じレベルのコミュニケーションとは、普通に日常会話ができるコミュニケーションのことです。

話しかけても反応がない現象から、話しかけていると、あるとき普通の反応が返ってくるという現象は、その方にはじめてお会いしてから一週間後くらいで現れることもあれば、その方に話しかけ続けて、1か月以上たってから現れることもあります。

そして、一度話しをしてくれるようになると、体調の良しあしはありますが、その後はしっかりとコミュニケーションをとることができるようになります。

私はいろいろな介護施設で働いたことがありますが、以上のような現象はほとんどの介護施設でありました。

このような現象が何度もあったので、『どうして、いままで話しかけても反応がなかったのに、突然、日常会話ができるようになるのか?』ということを考えてみました。

いろいろ考えてみると、その一つの答えとして、『話しは聞こえているけれども返事をしない・してくれない』ということが考えられました。

そして、介護施設で働くようになって、入居者の方に話しかけても反応が無いの原因の一つには、「話しかけても反応が無い」から「話せるけど黙っている」ことがあるのではないかと思うようになっています。

ではなぜ、「話しかけても反応が無い」から「話せるけど黙っている」ようになるのでしょうか?

入居者の方は人を見ている

介護施設では、いろいろな性格の方が働いています。

どこの会社でも性格の良い人もいれば良くない人もいます。

それは、介護施設や老人ホームでも同じです。

多くの介護施設では、入居者の方は介護をしてもらう介護ヘルパーの方を選ぶことができません。

良い介護ヘルパーの方に介護をしてもらえればいいですが、良くない介護ヘルパーに介護してもらうのは苦痛でしかないでしょう。

ちなみに、良くないヘルパーは虐待をするという事ではなく、コミュニケーションが取れない取ってくれないという意味のことです。

人はコミュニケーションをとってもらえないとき心が落ち込んでいきます。

それが続くと心が落ち込むことが習慣になってしまいます。

そうなってしまうと『人が話しかけてきたときに無反応になってしまう』のではないかと思います。

では、誰が話しかけても無反応になってしまうのか、というとそうではないようです。

やさしい人が話しかけたときは、ちゃんとコミュニケーションをとっていることが多いのです。

そういったことを考えると、入居者の方は人を選んでコミュニケーションをとっているのだと思います。

そして、コミュニケーションが取れない人(やさしくない人)とは、コミュニケーションを取りたくないので、『話しが聞こえないふりをして無反応を装う』のではないかと思います。

または、話しが聞こえないふりをして、その人がどんな反応をするのかを見分けているのではないかとも思います。

なぜ、このようになるのかというと、自分の心を守る自己防衛の本能が働くからではないかとと思っています。

先ほどもお話ししたように、人はコミュニケーションをとってもらえないと、人として接してもらえないと、傷つくものです。

介護施設のヘルパーの方全員から敬意をもって接してもらえればいいのですが、敬意をもって接してくれないヘルパーもいるのが現状です。

そういったことから、人としてちゃんと接してもらえないと心が傷つき、その結果、無反応になるのではないかと思います。

もちろん、話しかけても身体的に話すことができなかったり、コミュニケーションがとりにくい入居者の方もたくさんおられます。

しかし、そうだからといって話しかけなくてよいはずはないと思います。

反応はなくても何かを心の中では思っている。

常に、このように思いながら高齢者の方と接することが大事です。

管理人tsubameは介護施設で働くようになり、このようなことを思うようになりました。

介護施設は身体のケアだけでなく、心のケアも求められます。

心のケアは人と人として接するところに、人として敬意をもって接っするところにあるのだと思います。

これからも、私は、高齢者の方により敬意をもって接していけるようにしていきたいと思っています。

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