凍結含浸法・含浸凍結法|広島県が開発した介護食向け調理法

要介護人口の増加とともに、介護食も発達を遂げてきました。

介護食といえば、高齢者が食べやすいように料理を細かくきざむ刻み食が一般的です。

しかし最近、刻み食は高齢者にとって危険な食事形態ではないかといわれるようになっています。

そのような現状から刻み食に変わる食事形態として、軟菜食や凍結含浸法が徐々に広がりを見せてきました。

そこでここでは、介護食の新しい食事形態の『凍結含浸法』についてご紹介していきたいと思います。

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凍結含浸法とは

凍結含浸法とは『食材を一度凍らせて酵素の働きで柔らかくする調理法の一つ』のこと。

凍結含浸法で調理された食材は、形を残したままとても柔らかく仕上がります。

凍結含浸法は広島県によって開発されました。

広島県のホームページによれば、凍結含浸法の技術について以下のように説明してあります。

≪凍結含浸法について≫

食品素材の中まで酵素を急速に滲み込ませる技術です。
凍結解凍した食品素材を酵素液に漬けたまま減圧すると,細胞同士の隙間の空気が抜けて酵素が一気にしみこみます。
酵素とともに,調味料,栄養成分などの物質も食材に均一に滲み込ませることができます。


引用:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/26/ganshin.html

広島県の説明から、『凍結含浸法は凍結と減圧で酵素を細胞内にしみこませ食材を柔らかくする技術』であることが分かりました。

ちなみに、凍結含浸法は含浸凍結法とも呼ばれることがあります。

広島県のホームページでは凍結含浸法とあるので、含浸凍結法も正式には凍結含浸法になります。

凍結含浸法のメリット

凍結含浸法は料理をとても柔らかくできるのがメリットですが、そのほかのメリットもあります。

≪凍結含浸法のメリット≫

  • 見た目が良い
  • 柔らかい
  • 衛生的
  • 安全性が高い
  • おいしい

凍結含浸法は見た目が良い

凍結含浸法は見た目が良く仕上がります。

刻み食は高齢者の方が食べやすいように食材を小さく刻む食事形態ですが、正直言って見た目は悪いです。

料理は見た目が大事ですが、刻み食の見た目はきれいではありません。

この点、凍結含浸法で調理された料理は見た目がとてもきれいなのですね。

凍結含浸法はやわらかい

凍結含浸法で調理された料理は、形残したまましかもやわらかい料理です。

なので、咀嚼力や嚥下力(えんげりょく)の弱くなった高齢者の方にとても食べやすい料理といえます。

咀嚼力が弱くなると、食べ物をよく噛むことができなくなり、食べ物を丸のみしてしまうことがあります。

食べ物の丸のみは窒息や消化不良の原因になってしまします。

また、嚥下力が弱くなるとものを飲みこむ力が弱くなり、誤嚥(ごえん)の原因になってしまいます。

※誤嚥とは食道から肺にものが入ってしまうこと。

このように、介護食が硬いと窒息や誤嚥につながるので、やわらかい凍結含浸法の料理は要介護の方に最適な調理法といえます。

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凍結含浸法は衛生的

凍結含浸法は食材を調理したあと、お皿に盛りつけて提供するだけですが、刻み食は作った料理をさらに包丁などで細かくします。

このときに、衛生的でないまな板や包丁を使うと感染症の原因になることがあります。

高齢者は感染症にかかると回復が遅くときには命の危険も出てきます。

この点において、凍結含浸法の料理は柔らかいので、刻むことなく衛生的な料理なのですね。

凍結含浸法は安全性が高い

凍結含浸法は、刻み食に変わる介護食として注目されています。

凍結含浸法が刻み食に変わる介護食として注目される理由はいろいろありますが、安全性が高いという理由があります。

刻み食は高齢者が食べやすいように料理を細かく刻んだ料になります。

以前は、細かく刻んだ料理は食べやすいといわれてました。

しかし、最近では、細かく刻んだ料理(刻み食)は誤嚥しやすいといわれてます。

そういった事情から、刻まなくても柔らかい凍結含浸法が、刻み食に変わる料理法として人気が出てきたのですね。

先ほどもお話ししたように、気管に食べ物が入ることを誤嚥といいますが、誤嚥による肺炎を誤嚥性肺炎といいます。

75歳以上の高齢者の死因を見てみると、誤嚥性肺炎が死因の1位になっています。

このことから、誤嚥は高齢者とって大きな問題といえるのですね。

刻み食は誤嚥をしやすく凍結含浸法で調理された料理は誤嚥をしにくいといわれてます。

このような事情が、凍結含浸法は安全性が高い介護食といわれる理由になります。

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凍結含浸法はおいしい

凍結含浸法で調理された料理は刻み食に比べておいしいのが特徴です。

刻み食は料理を包丁などで刻むので味が落ちてしまいます。

例えば、美味しそうなブリの照り焼きも、細かく刻まれれば味が落ちてしまいます。

刻み食の問題である「料理を刻むと味が落ちる」という問題を凍結含浸法は解決しました。

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凍結含浸法の今後

凍結含浸法の製造方法は広島県が特許を持っていますが、凍結含浸法の良さを広めるために介護食等を作る企業に積極的に技術を提供しています。

広島県の取り組みにより、いくつかの企業が凍結含浸法で調理した料理の販売をしています。

≫凍結含浸法を採用している企業はこちら

最近では、凍結含浸法で調理された料理は通販で買う事ができるようになりました。

凍結含浸法で調理された料理に関心のある方は、一度通販で取り寄せて食べられてみてはいかがでしょうか。

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