特別養護老人ホームの役割と歴史とは

いまでこそ老人ホームといえば、いろいろな老人ホームを思い浮かべると思います。

しかし、少し前までは、老人ホームといえば『特別養護老人ホーム』、いわゆる『特養』を思い浮かべる人が多かったのではないかと思います。

ところで、特別養護老人ホームはどのような役割がある老人ホームなのでしょうか?

また、特別養護老人ホームの歴史には、どのような歴史があるのでしょうか?

そこでこれから、特別養護老人ホーム(特養)の役割や歴史につてい簡単に説明していきたいと思います。

特別養護老人ホームの起源と歴史 

いまでこそ有料老人ホームなどの高齢者施設が増えましたが、介護保険法が施行された2000年頃には、『老人ホームといえば特別養護老人ホームのこと』でした。

戦後、老人ホームの役割を担ってきた特別養護老人ホームは、はじめから特別養護老人ホームとして始まったわけではありません。

特別養護老人ホームは、明治期に設立された養老院に起源があります。

養老院については社会福祉法人・光の子福祉会さん|気になる介護施設の記事後半を参考にしてみてください。

≪特別養護老人ホームの歴史≫

  • 養老院から始まる
  • 養老院から養老施設へ
  • 養老施設から特別養護老人ホームへ

特別養護老人ホームの起源|養老院

特別養護老人ホームは、明治期に設立された『養老院』に起源がありました。

≪養老院とは≫

  • 養老院とは生活困窮者(身寄りのいない高齢者や家がない人など)を救済する目的で創設された施設です
  • 養老院は明治期に設立されました

明治から大正へ、そして昭和へ

明治初期に設立された養老院は、大正、昭和の戦中・戦後まで生活困窮者の救済施設としての役割が続きました。

このような歴史のある養老院ですが、1950年(昭和25年)にできた生活保護法により、『養老施設』と名前が改称されます。

≪ポイント≫

  • 1950年に制定された生活保護法により『養老院』の名称が『養老施設』に変更される

老人福祉法により特別養護老人ホームが誕生

戦後の混乱が落ち着いたあと、日本は高度成長期に突入します。

それと同時に、養老施設に入居されている高齢者の介護問題が表面化しはじめました。

この問題を分かりやすくいうと『養老施設に入居されている方が高齢になり介護が必要になってきた』といえます。

政府は養老施設の介護問題等に対処するために、1963年に老人福祉法を設立。

このときに、養老施設は老人ホームに名称が変更になりました。

そしてそのとき、養老施設は『特別養護老人ホーム』『養護老人ホーム』『軽費老人ホーム』と、それぞれの役割がある老人ホームに分けられました。

≪3つの老人ホーム≫

  • 養護老人ホーム(介護なし)
  • 特別養護老人ホーム(介護あり)
  • 軽費老人ホーム(基本介護なし)

3つの老人ホームのうち、特に介護が必要な人は特別養護老人ホームに入り、基本的に自立できる人は養護老人ホームか経費老人ホームに入ることになりました。

特別養護老人ホームと養護老人ホームの違いはこちら

軽費老人ホームについての詳細はこちら

介護保険法誕生によって有料老人ホームが増える

1963年に老人ホームが誕生したときは、老人ホームと呼ばれる施設は3種類しかありませんでした。

また、2000年に介護保険法が制定されるまでは、全国にある老人ホームのほとんどは『特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・経費老人ホーム』でした。

民間の有料老人ホームの施設数が増え始めるのは、介護保険法が施行された2000年以降のことになります。

はじめに、『老人ホームといえば特別養護老人ホーム』とイメージする方が多いとお話ししました。

なぜ、『老人ホームといえば特別養護老人ホーム』とイメージする人が多いのかは、以上のような特別養護老人ホームの歴史に理由があるからなのですね。

以上が、特別養護老人ホームの簡単な起源と歴史になります。

特別養護老人ホームと有料老人ホームの違い

特別養護老人ホームの基本理念は『社会的弱者を救済する』ところにあります。

分かりやすくいえば、『特別養護老人ホームは身寄りのいない方や経済力がない方で介護が必要な方を救済する施設』といえます。

なので、特別養護老人ホームの『入所者は状況に応じて手厚い保護』がされています。

手厚い保護の一つには『安い料金で入所できる』ことも含まれます。

特別養護老人ホームは入居料が安い。

このようによくいわれますが、特別養護老人ホームの入居料が安い理由は、以上のような理由があるからなのですね。

↓気になる特別養護老人ホーム

社会福祉法人キングス・ガーデン東京

民間有料老人ホームの入居料

民間の有料老人ホームは、一般的に特別養護老人ホームより入居料が高くなっています。

有料老人ホームの方が特別養護老人ホームより入居費用が高いのは、特別養護老人ホームよりサービスが良いということが関係しています。

≪有料老人ホームのサービス内容≫

  • 施設がきれい
  • 部屋が個室である
  • 介護食がおいしい
  • 介護職員の数が多い
  • 持病に対応してくれる
  • など

有料老人ホームは『基本的にお金がある人で特別養護老人ホームよりも良いサービスを受けたい人向けの老人ホーム』といえます。

そういったことから、有料老人ホームは特別養護老人ホームよりも高い入居料になっています。

↓有料老人ホームの詳細はこちら

介護付き・住宅型・健康型|有料老人ホームとは

↓介護施設の選び方はこちら

介護施設選びの優先順位について

介護施設の種類を分かりやすく解説

特別養護老人ホームの料金の値上げと今後

2005年の介護保険法改正により、特別養護老人ホームでは、食費と多床型の居室料が介護保険から外され全額自己負担になりました。

(所得に応じて補足給付を新設し、低所得者の負担は大きくならないようにしています。)

また、2015年の介護保険法改正では、補足給付の条件が厳しくなり介護保険の2割負担の基準もできました。

貯金や財産・収入が一定額以上ある人は補足給付が少なくなり、介護保険の自己負担が2割になりました。

このように、人によっては年々、特別養護老人ホームの入居料は高くなっているといえます。

このような事情から、最近では、金銭的に裕福な人は、特別養護老人ホームと有料老人ホームの費用があまり変わらなくなってきました。

なぜ、特別養護老人ホームの入居料が高くなってきたのかというと、介護医療費の急増して、政府が財政難に陥っているからです。

なので、政府は、金銭的に余裕のある人は、特別養護老人ホームではなく、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設に入居してもらう政策行ってます。

お金がある人は、特別養護老人ホームではなく民間の施設に入って下さいということでしょうね。

2025年問題

少し前から、2025年問題という言葉が登場してきました。

2025年は団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になる年です。

介護が必要となるのは75歳くらいからといわれてます。

そして、80代になるとかなりの人に介護が必要になってきます。

そういったことから、団塊の世代が全員後期高齢者になる2025年から急激に要介護者が増えてくるといわれています。

これが、2025年問題の内容です。

↓2025年問題を詳しくい知りたい方はこちら

2025年問題|医療と健康寿命と施設の関係はこうなる!

この2025年問題に対応する形で、介護保険法ができました。

そして、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームなどの介護施設もたくさんできました。

サービス付き高齢者向け住宅やグループホームの詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。

サービス付き高齢者向け住宅とは

グループホーム|認知症対応型共同生活介護とは

まとめ

特別養護老人ホームの歴史と役割を簡単にご紹介してきました。

特別養護老人ホームは、社会的弱者を救済する養老院に起源がありました。

なので、特別養護老人ホームは経済力など社会的弱者を救う介護施設といえます。

そういったことから、基本的に、『特別養護老人ホームは社会的弱者の人が優先的に入居できるシステム』になっているのですね。

特別養護老人ホームは日本の介護施設の源流につながる施設です。

介護施設のことを良く知りたいときは、まずは、特別養護老人ホームの歴史や役割をしっかりと学んでいきましょう。

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