刻み食は危険?ソフト食や刻み食など介護食を分かりやすく解説します

歳を取ってくると身体の機能が衰えていきますが、その衰えの一つに飲み込む力、噛む力の減少があります。

食べ物や水分を飲み込む力を嚥下力(えんげりょく)といいますが、高齢者の方は嚥下力が弱くなっているのが特徴です。

嚥下力が弱くなると、食べ物がのどに詰まって窒息の原因になったり、食べ物や飲み物が食道ではなく気管に入ってしまう誤飲を引き起こす危険があります。

このように食べる機能が衰えた高齢者の方には、その方の状態にあった食べ物が必要になります。
その食べ物のことを、介護食と呼んでいます。

介護食の必要性

先ほどご説明しましたように、高齢者の方は自分の身体の状態にあった料理を食べる必要があります。

その理由には、主に3つのことあります。

  • 誤嚥(ごえん)を防ぐため
  • 窒息(ちっそく)を防ぐため
  • 消化不良を防ぐため

誤嚥を防ぐため

介護食の主な目的のひとつは、誤嚥を防ぐため。

誤嚥とは食べ物や飲み物が気管に入ってしまう事ですが、嚥下力(えんげりょく)が低下すると物をうまく飲み込めず誤嚥を起こしやすくなります。

誤嚥をして肺に物が入ってくると誤嚥性肺炎になる危険性が高くなります。高齢者の死亡要因の1位は肺炎ですが、肺炎のほとんどの要因が誤嚥によるものなのです

このように、誤嚥は高齢者の方にとってとても危険ですので、誤嚥を防ぐために介護食が必要になります。

窒息を防ぐため

高齢になると嚥下力の低下とともに咀嚼力の低下もあげられます。

咀嚼力が低下すると、食べ物をあまり噛まずに丸のみするようになります。

元気な方が食べ物を丸のみしても喉に詰まることはめったにありません。
しかし、嚥下力の低下した高齢者の方が食べ物を丸呑みすると、嚥下力が弱くなっているので窒息する危険がとても高くなります。
 

そのため、介護食では咀嚼力(そしゃくりょく)が低下した高齢者の方でも食べやすいように、柔らかい介護食が発達してきました。

消化不良を防ぐため

高齢になり咀嚼力が低下すると、あまり食べ物を噛まずに飲み込むようになることをお話ししました。

あまり噛まれていない食べ物は消化されにくく栄養の吸収も悪くなります。

この状態が続けくと、低栄養と呼ばれる状態になります。

近年、高齢者の低栄養が取り上げられるようになりましたが、その原因は高齢になり食べる量が減ったことと、咀嚼力の低下により食べ物を消化の悪い状態で飲み込むことであると考えられています。

介護食の種類

高齢者の方に必要な介護食には、どのような種類があるのでしょうか。

介護食は一般的では、常食(じょうしょく)を5種類に分類されています。
※常食とは普通の人が食べる料理のこと。

介護食の一般的な分類

  1. 常食
  2. 一口大食
  3. 刻み食
  4. 軟菜食
  5. ソフト食
  6. ミキサー食

常食


引用:http://www.lifecaredesign.co.jp/quality/care/

常食(じょうしょく)とは、健康な方が食べる料理のこと。

私が働いていた介護施設では、常食を食べられる方の割合は45%~80%くらいでした。

特別養護老人ホーム(特養)は刻み食・軟菜食・ソフト食など介護食の方が多く、有料老人ホームでは常食を食べられる方の割合が多い傾向があります。

なぜ特養では介護食が多いかといいますと、特養に入居されておられる方は介護度が比較的高いことが特徴として挙げられます。

介護度が高い分、介護食も必要になってくるのですね。

反対に、有料老人ホームに入居されておられる方の多くは介護度が低い方が多いですので、常食の割合が低くなるということです。

ご紹介した画像の常食は、ライフケアデザインさんの常食になります。

ライフケアデザインさんは1999年に設立された会社ですが、介護施設を解説されたのは2016年と最近のことです。

(なぜ設立されてから17年もたってから第一号目の介護施設ができたのかはまた後日ご紹介できればと思っています。)

ちなみにライフケアデザインさんはソニ―さんのグループ企業の一つです。

いま管理人tsubameが最も注目している介護施設の一つになります。

一口大食

引用:http://sunlife-mai.co.jp/seikatsu/

一口大食とは、常食を食べやすい大きさに切った食事になります。口を大きく開けられない方や咀嚼力が低下した方に合わせた介護食です。

こちらの料理は新潟市にある介護付有料老人ホーム・サンライフ舞さんの一口大食。

とてもおいしそうです。食器はメラミン食器かなと思います。
メラミン食器とはプラスチックの一種で、医療・介護現場や子供用で良く使われている食器です。

お盆には、もしかしたらすべり止めがついているかも知れません。介護施設では安全対策のためにお盆にすべり止めがついているのが一般的です。

それにしても、ほんとにおいしそうです。

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刻み食

引用:http://www.nanroukai.or.jp/departments/nutrition/event/

刻み食とは一口大食よりも小さく刻んだ料理のことです。刻み食は刻む大きさによって呼び名が変わります。

例えば、刻み食でも「少し大きめの荒刻み食」「普通の大きさの刻み食」「みじん切りくらいの大きさの細刻み食や極刻み食」などがあります。

刻み食の呼び方や刻みの大きさは各施設によって異なっており、統一されていないのが現状です。

画像の刻み食は和歌山県にある紀和病院さんの刻み食。

刻み食を上手に、またきれいに作るのはとても手間がかかるのですが、こちらの刻み食はほんとにおいしそうに出来ています。

正直に言うと刻み食はちょっと遠慮したい料理(※1)なのですが、こちらの刻み食は食べてみたいと思いました。
(※1)刻み食は出来た料理を刻むため衛生的にあまり良くないと思うため

<メニュー>
・さくら寿司(かに雑炊)
・ 鮭の西京焼き
・ 煮物(南瓜・茄子)
・ 土佐和え(ほうれん草・人参)
・ さくらババロア

こちらの食器もたぶんメラミンかなと思います。

茶碗が黒いのに気が付かれた方もおられるかもしれませんが、黒い食器は白内障や目の良くない方に良く使われる食器です。

介護施設で働いているとこのようなことにも気が付くようになってきます。

軟菜食

引用:http://www.chp.toyonaka.osaka.jp/section/nutritional_care/recipe/meat/010_2.html

軟菜食とは、主に野菜に熱を加えて柔らかくした料理になります。

例えば、食事のメニューでのレタスのサラダ。

レタスは繊維が強く硬いですので、高齢者の方の中にはレタスを食べることが困難なことがあります。

そのような時には、レタスの代わりにキャベツやダイコン、キュウリなどに熱を加えて柔らかくしたもの=軟菜を提供します。

軟菜食には野菜の料理以外にも、肉や魚料理もあります。

肉料理の場合には主にミンチを使い、魚料理の場合は身の柔らかい魚を使ったり、煮物や蒸し料理を提供します。

軟菜食は刻み食の代わりに登場してきた経緯があります。

刻み食は介護食が必要な方に向けて考えられた食事形態ですが、高齢者の特徴として唾液の分泌が少なくなることがあります。

唾液が少なくなると噛んだものをまとめる力がなくなり、食べ物を飲み込んだときに喉でバラバラになり誤嚥につながる恐れが高いことが分かってきました。

刻み食は料理を小さく刻む食事形態ですので、高齢者の方の誤嚥(ごえん)につながると最近では考えられるようになってきています。

ですので、介護食に関心の高い介護施設では、刻み食をやめて軟菜食にシフトしています。


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また、最近では料理を柔らかくする技術の発達により、料理の形を残したまま柔らかくすることができるようになりました。

ですので、軟菜食が介護施設に取り入れられてきたという経緯もあります。

ただ、形を残したまま食べられる柔らかい料理は、コストが少しかかってしまうのが特徴です。

このように、高齢化が進むとともに軟菜食も発展してきているのですね。

しかし、一般的には、刻み食は介護食としての代表的な食事形態として認知されているのが現状です。

ですので、多くの介護施設や家庭では、まだ刻み食を提供しているのではないかと思っています。

ご紹介した画像の軟菜食は、大阪府にあります市立豊中病院さんの軟菜食になります。

軟菜食は作るのが難しいのですが、どのように難しいかというと軟菜食は基本的に熱を加えて食材を柔らかくします。

野菜に熱を加えると、形が崩れやすくなったり色が悪くなったりします。

ですので、見た目や形をおいしそうに保ちながら軟菜食を作るのは、経験が必要になってくるのですね。

そのような難しい軟菜食を、とてもおいしそうに作っておられる市立豊中病院さんは、すごいと思います。

ソフト食

引用:http://www.keiaien.co.jp/odawara/odawarafood/

ソフト食とは、咀嚼力や嚥下力がかなり衰えた方のための食事形態で、食材をペースト状にしたものを再成形したものになります。食感的にはセリーではなくクリームチーズケーキのような食感になります。

食材の形を再形成して見た目の良さと食べやすさがとても考慮されており、健康な方が食べてもおいしい素材がたくさんあります。

ソフト食の良さは食材が一度ペーストされていますので、消化に良く栄養を確実に摂取することができる点にあります。

ソフト食は崩れやすいのできれいに盛り付けるのが難しいのですが、ご紹介した画像のソフト食は見た目がとてもよくとてもおいしそうですね。

こちらのソフト食は神奈川県小田原市にあります慶愛園さんのソフト食になります。慶愛園さんは料理にとても力を入れられておられるようで、11食種の療養食献立に対応しています。

このように、11種類も療養食献立がある介護施設は多くはないと、tsubameのこれまでの経験から言っても良いと思います。

ほんとすごいです。


家庭でできる高齢者ソフト食レシピ―食べやすく飲み込みやすい

ミキサー食

引用:http://www.keiaien.co.jp/odawara/odawarafood/

ミキサー食とは食材をミキサーにかかて水分調節された、再形成されていない食事形態です。ミキサー食は水のようにサラサラではなく、とんかつソースのような粘度です。少し粘度がついていた方が飲み込みやすいのですね。

ミキサー食は、ソフト食でも飲み込むことが困難な方に作られた食事形態。

嚥下力や咀嚼力がかなり衰えた方でも、飲み込みやすく食べやすいのが特徴です。

こちらのミキサー食もソフト食でご紹介しました慶愛園さんのミキサー食になります。

ミキサー食の盛り付けはとても難しいのですが、とても上手に盛り付けをされておられます。

このようにきれいに盛り付けができるのはとても経験が必要になりますので、画僧の料理を作られた慶愛園さんは、食事にとても力を入れられておられることが良く分かります。


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介護食のまとめ

介護食には、ご紹介してきた食事形態のほかにもゼリー食やムース食、凍結含浸法と呼ばれるものなどがあります。

また、おかゆやとろみを利用した調理方法なども、介護食と呼んで良いでしょう。

このように介護食には様々な食形態がありますが、その理由は介護食の方の身体の状態に合わせて様々な介護食が必要であったからなのですね。

介護食の本来の姿は、介護食が必要な方の一人一人の身体の状態にあった食形態を提供することが理想的です。しかしそれは、家庭では可能としても介護施設ではほぼ不可能に近いのが実情です。

それでもできるだけ、一人一人の身体の状態に合わせて介護食が提供されているという事は、今回ご紹介した施設やtsubameが今まで働いてきた経験から言えます。

いずれにせよ介護食と一概に言いましても各施設によってさまざまな形態や考え方があります。

ですので、これから介護施設を検討される方や介護食に興味がある方は、介護食の最新の情報を取り入れられてみてはいかがでしょうか。

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